小説

【感想・ネタバレ】「やってられない月曜日」柴田よしき|前向きになれるお仕事小説

柴田よしきさん「やってられない月曜日」の感想です!
ネタバレ含みますので、未読の方はご注意ください。

「やってられない月曜日」内容

【あらすじ】
高遠寧々、二十八歳、経理部勤務、就職氷河期のコネ入社が引け目──。勤め先は一応大手の出版社、彼氏はいなくても、気の合う仲間もいるし、趣味もあるし、一人暮らしも満喫中。だから辞める気なんか少しもない。けど、職場にあるのは伝票の山と経費のゴマカシとパワハラと不倫……、はっきり言って、不満だらけです! 働く女性のリアルな日常と本音を描いたワーキングガール・ストーリー。

Amazon.co.jp「やってられない月曜日」

大手出版会社で経理を務める高遠寧々を主人公としたお仕事小説

6つの本編とエピローグを含めた連作短編小説です。

働く女性の“あるある”が詰まっていて、OLなら共感できるはず。

同著者の「ワーキングガール・ウォーズ」のスピンオフ的作品でもあります。

「やってられない月曜日」感想(ネタバレあり)

おすすめ度:★★★☆☆

「あ~これは、わかる!」という部分がたくさんありました。

柴田さんらしい、改行と口語体多めの文章でサラサラと読めてしまいます。
ちょっとした息抜きにもいいかも。

短編のタイトルそれぞれが曜日になっているのも面白いですよね。

私が1番気に入ったのは、1作目であり表題作の「やってられない月曜日」です。

あたしは大きな世界の一部で、この小さな世界はあたしの一部で、そして同時に、この小さな世界の一部があたしで、あたしの一部が、あたしを取り巻く大きな世界なんだし

「やってられない月曜日」本文より

死人のふり、なんて、したくない。会社にいる時だって、あたしは、生きた人間でいたい

「やってられない月曜日」本文より

「会社は生活費を捻出する場所だと割り切れば?」と、従姉の翔子から言われた後に寧々が考えたこと。

不満だらけの仕事でも、私たちの人生の一部であることに変わりはないんですよね。

だったら、やっぱり無意味に過ごしているなんて勿体ないんです。
そう、前向きな気持ちにさせてくれる話でした。

あと、これも柴田さんらしいというか、思ってもいない展開が待っているのがいいですよね。

下着泥棒が隣人だったり、日記と思われたものが小説だったり……

お仕事小説ってわりと平坦な内容(それが共感できていいんですけどね)が多いと思うんですが、「やってられない月曜日」には1作ずつ大きなドラマがあって面白かったです。

柴田よしきさんのおすすめ作品

「やってられない月曜日」を読んだ方は、「ワーキングガール・ウォーズ」がおすすめです!
こちらは寧々の従姉・翔子が主人公。

総合音楽メーカーの高級とり、美人で強気な性格、独身。
翔子の会社での姿、見てみたくありません?

「やってられない月曜日」では格好よく描かれている翔子ですが、彼女も人間です。
色んな事を考えて過ごしているんですよね~。

「やってられない月曜日」から「ワーキングガール・ウォーズ」を読むと、ちょっと翔子の印象が変わる気がします。

まとめ

以上、柴田よしき「やってられない月曜日」の感想でした!
皆さん、今日も頑張って働きましょ?

きらり
  • サイト「KIRARI」の中の人。
    読書が好きで、読んだ本の感想を投稿しています。