小説

【2023】美輪和音 全作品一覧・おすすめ度・感想

美輪和音さんの作品を刊行順に並べました。
感想は読んだものから随時追記していきます。

1.強欲な羊(2012年)

【あらすじ】
とある屋敷で暮らす美しい姉妹のもとにやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた数々の陰湿で邪悪な事件。ついには妹が姉を殺害するにいたったのだが――。はたして“羊の皮を被った狼”は姉妹どちらなのか?圧倒的な筆力で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」に始まる“羊”たちの饗宴。揺れ動く男の心理と狡猾な女を巧みに描く「背徳の羊」。愛する王子と暮らす穏やかな日々が崩壊する過程を、女たちの語りで紡ぐ「ストックホルムの羊」ほか全5編。女性ならではの鋭い狂気が秀逸な連作ミステリ。

Amazon.co.jp「強欲な羊」

私は表題の「強欲な羊」で、完全に美輪和音ワールドにハマりました(笑)

イヤミス&ホラー色強めの5編。
個人的には「ストックホルムの羊」も好きです。1度読んだら、最初から読み返したくなるはず。

おすすめ度:★★★★★

■関連記事
【感想】「強欲な羊」美輪和音(ネタバレあり)

2.捕食(ハナカマキリの祈り)(2013年)

【あらすじ】
ハナカマキリみたいにまぎれこんでしまったほうがいい、捕食者に気づかれないように。そう言って、いづみはするりとトラウマを抱えた真尋の心に入り込んできた。いづみと一緒なら自分は変われる、そう信じていたのに――。彼女はいったい誰なのか? そして、何のために真尋に近づいてきたのか? 過去をたどると、何人もの女たちが、彼女の周りで姿を消していた。真相に迫る真尋は、ついに彼女のおぞましい姿を目にしてしまう。

Amazon.co.jp「捕食(ハナカマキリの祈り)」

「強欲な羊」に負けないぐらい、怖い女性が登場する作品。
ジャンルでいうとサイコホラーになるのかな?

「強欲な羊」が好きな方は、気に入るかと思います。
グロ描写が多めなので、苦手な方はご注意!

おすすめ度:★★★★☆

■関連記事
【感想】「捕食(ハナカマキリの祈り)」美輪和音(ネタバレあり)

3.8番目のマリア(2014年)

【あらすじ】
「罪を告白し懺悔せよ」。幼なじみ六人とともに七角形の部屋に閉じ込められた神崎青史が参加させられる、命をかけた多数決。ゲームを仕組んだのは誰なのか、戦慄の心理戦の先に潜む衝撃の真実とは!?

Amazon.co.jp「8番目のマリア」

密室で行われるデスゲーム。

山田悠介とか、ちょっと前だったら「王様ゲーム」とかを思わせる作品です。
ありがちなテーマではあるので、他の作品よりはサラッと読める印象。

そのままドラマとか映画にできそうな感じで、さすが脚本家としても活動している美輪さん!という感じです。

おすすめ度:★★☆☆☆

■関連記事
【感想】「8番目のマリア」美輪和音(ネタバレあり)

4.ゴーストフォビア(2016年)

【あらすじ】
いつもの憂鬱な朝、急に「サイキック探偵になる」と言い出した姉・芙二子に振り回される三紅。行方不明の女性の調査をすることになった二人は、事故物件を扱う不動産屋の神凪怜と出会う。三紅の心酔する霊能者に似たクールな印象の男性だが、どこか胡散臭い。しかし、偶然に三紅が神凪に触れた瞬間、聴力を失ったはずの右耳から、不思議な声が聞こえてくる。その一方、神凪も見えないはずのモノが見えているらしい――

Amazon.co.jp「ゴーストフォビア」

美輪さんの作品の中では結構明るめで、個人的にはかなり好きです。

登場人物たちが皆いいキャラしているんですよね。
全4作の短編集なのも読みやすい。

ホラー&ミステリーではあるんですが、暗い雰囲気が苦手な方におすすめです。

おすすめ度:★★★★★

■関連記事
【感想】「ゴーストフォビア」美輪和音(ネタバレあり)

5.ウェンディのあやまち(2018年)

【あらすじ】
二人の幼児が自宅に置き去りにされ、一人が餓死するという事件が発生した。物語に登場するのは、客の男にのめり込む恋愛体質のキャバクラ嬢、女優としてドラマ出演のチャンスが舞い込んだ女、自分を痛めつけるように働き続ける清掃員の女……。3人の女を繋ぐ、幼児餓死事件の真実とは――。

Amazon.co.jp「ウェンディのあやまち」

こちらはホラー色は打消され、実際の事件をもとにした社会派小説。
でも、終始うす気味悪さはあるかな…。
ネグレクトの描写がリアルなので、苦手でなければおすすめです。

4つの視点が交差しながら、徐々に真相が暴かれていく様子がお見事!
読み始めたら気になってページを捲る手が止まりません。

おすすめ度:★★★★★

■関連記事
【感想】「ウェンディのあやまち」美輪和音(ネタバレあり)

6.暗黒の羊(2020年)

【あらすじ】
轢き逃げや通り魔事件の動画をSNSにアップしたことから死の女神と崇められ、過激な動画の投稿がやめられなくなり、暴走してゆく女。仲間外れの黒い羊になることを恐れ、仲間の死を願う女子高校生。家にいる男は夫ではないと怯える妻と困惑する隣人。年齢も育ちも違う羊たちの運命が交錯し、そして絡み合う。その影に蠢くのは、“羊目の女”なのか。かつて美人姉妹が殺し合ったという、いわくつきの洋館で、“羊目の女”に「私の身代わりの羊は××です」と殺したい人間の名前を三度唱えると……。『強欲な羊』の恐怖はまだ終わっていなかった

Amazon.co.jp「暗黒の羊」

「強欲な羊」の続編。
前作とのつながりも、各話とのつながりもたっぷり楽しめる1冊です。

「強欲な羊」を読んだらぜひ読んでみてください!

おすすめ度:★★★★☆

■関連記事
【感想】「暗黒の羊」美輪和音(ネタバレあり)

7.私たちはどこで間違えてしまったんだろう(2023年)

【あらすじ】
平和な田舎町で仲の良い家族、友達、近所のひとたちに囲まれ、普通の生活を送っていた仁美。
しかし、毎年恒例の秋祭りの日をきっかけにすべてが変わってしまう。何者かが祭りで振る舞われたおしるこに毒を入れ、多数の死者が出た。仁美の幼馴染みの修一郎と涼音も被害者遺族となる。
事件の真相を知るべく、探り始めるが……。

Amazon.co.jp「私たちはどこで間違えてしまったんだろう」

海外で実際に行われた監獄実験に着想を得て書かれた作品だそう。

「犯人が誰なのか」というよりは、犯人を捜して疑心暗鬼になっていく人たちの心理に焦点を置いている感じです。
ミステリー要素も楽しめつつ、考えられるものが多い作品です。

おすすめ度:★★★☆☆

■関連記事
【感想】「私たちはどこで間違えてしまったんだろう」美輪和音(ネタバレあり)

きらり
  • サイト「KIRARI」の中の人。
    読書が好きで、読んだ本の感想を投稿しています。